世界最先端レーダーの7つのポイント
March 10, 2021
現代の安全保障環境においては、情報こそが最も強力な資源です。そのため、世界最先端のレーダーであるSPY-7は、各国軍にとって不可欠なアセットとなっています。このレーダーがそれほど優れているとされる理由を見てみましょう。
1. 陸上でも海上でも対応可能
レーダーはLego®ブロックのように組み合わせていく方式で、各国軍が求めるサイズやスコープに合わせてその規模を調整することができます。少数の目標を追尾するコンパクトな海上レーダー、あるいは多数の弾道ミサイルや極超音速ミサイルを追尾する大型の陸上レーダー、我々はどちらのニーズにも対応可能です。SPY-7は弾道ミサイルから極超音速ミサイルに至るまで、陸上でも海上でもあらゆる脅威を識別し、追尾することができます。
2. 既存のSPY-1レーダーの3.3倍の探知範囲を保有し、他のレーダーよりもより広い範囲をカバー
長距離、大容量の探知能力によって、接近する物体をいち早く知らせ、軍が脅威への対処法を決断する時間をより多く稼ぐことができます。
3. 脅威の有無を特定
脅威が進化し続ける中、目標の脅威の有無の特定は不可欠です。SPY-7は二重偏波システムを用いており、脅威の分類・識別能力に優れているため、軍は真の脅威への警戒と対処にさらに集中し、国民の安全を維持することができます。
4. 既存のレーダーと異なり、メンテナンス中も運用が可能なため、切れ目のない防衛を実現
状況認識(situation awareness)や脅威の検知と同様に、24時間365日の常続監視も欠かせない能力です。多くの従来型のレーダーは、メンテナンス時に部分的または全面的に探知能力をシャットダウンしなければなりません。SPY-7は、運用中もメンテナンスを実施できる唯一のレーダーです。
5. 優れた能力に比して、驚くほど経済的
既存のレーダー技術、サプライチェーン、そしてコモンソースライブラリーを活用し、長距離識別レーダー(LRDR: Long Range Discrimination Radar)プログラムと比較してコストを10%削減しました。
6. すでに製造が始まり、すぐにでも提供可能
SPY-7の導入で状況認識を強化するのは、早ければ早いほど良いでしょう。LRDRでも活用された成熟度の高い技術なので、SPY-7に向けた製造は現在すでに進んでいます。SPY-7の先駆けとなったLRDRは、すでに生産を完了して実証試験に成功し、米国アラスカ州クリアー空軍基地に設置予定であるほか、2021年には米国ミサイル防衛局(MDA)に納入される予定です。
7. 4か国で採用済み
これまでにSPY-7は日本、カナダ、スペイン、米国より選定されています。カナダとスペインは戦闘艦に、日本でも洋上プラットフォームでの配備に向けて採用が決定されました。米国は陸上での運用にこのレーダーを活用しています。